ICO

ICO とは、イニシャル・コイン・オファリング(英: Initial Coin offering )の略称で、暗号資産(仮想通貨)の新規発行による資金調達方法の一つです。

ICO の手順としては、あるプロジェクトが暗号資産(仮想通貨)の開発目的や方針をインターネット上で公開し、それに賛同する投資家が新たに発行された暗号資産(仮想通貨)をビットコインなど既存の暗号資産(仮想通貨)で購入します。発行元は集めた資金で暗号資産(仮想通貨)の開発を行い、投資家はプロジェクトが提供するサービスを利用したり、出資した暗号資産(仮想通貨)の価格上昇により自己資産を増やすこともできます。

ICO はインターネットを通して世界中から直接的に資金を調達することで、暗号資産(仮想通貨)の開発や運営方針に特定の個人や企業、国家が影響力をもつような事態を回避することができます。この仕組みは暗号資産(仮想通貨)の非中央集権的な性質を保つ上で有用ですが、従来の資金調達方法と異なりプロジェクトの健全性を保証したり、評価する機関がない中で投資家自ら判断を下すため比較的大きなリスクを負う可能性が高いと言えます。

  1. ICO の歴史と現状
  2. 将来性

ICO の歴史と現状

最初の ICO は、 2013 年に Mastercoin によって行われました。2014 年のイーサリアム(単位: ETH )の ICO では、約 1,800 万ドル(約 18 億円)相当のビットコインの資金調達に成功し、ICO が資金調達手段として十分に機能することが証明されたと言われています。

その後、2017 年に暗号資産(仮想通貨)相場の急上昇と同時に ICO 市場も拡大を見せます。その年の ICO 全体で集められた資金はおよそ 62 億ドル(約 6,900 億円)と言われ、上位 3 つのプロジェクトはそれぞれ 200 億円を超える規模の資金を集めることに成功しています。続く 2018 年の資金調達は前年を超える約 78 億ドル(約 8,500 億円)を記録しますが、2018 年後半から大幅な減少に転じ、 2019 年現在の ICO 市場は縮小傾向にあると言えます。

将来性

2017 年に盛り上がりを見せた ICO ですが、投機的な資金の流入やそれに目をつけた詐欺まがいの ICO が横行するなど暗号資産(仮想通貨)プロジェクトの実現性や開発状況の透明性を確保することが難しい点が指摘されています。

そのため安全性や健全性に重きを置いた資金調達方法として、セキュリティ・トークン・オファリング(英: Security Token Offering 、略称: STO )やイニシャル・エクスチェンジ・オファリング(英: Initial Exchange Offering 、略称: IEO )などが注目されています。(2019 年 10 月時点)

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