パブリックブロックチェーン

パブリックブロックチェーンとは、誰でも参加できる公開されたブロックチェーン・ネットワークです。管理者が存在しないことが特徴で、取引内容がネットワークで合意され、すべて公開されています。

ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)に用いられているブロックチェーンは、パブリックブロックチェーンです。一般的な暗号資産(仮想通貨)のほとんどはパブリックブロックチェーンを採用しています。

パブリックブロックチェーンの取引が承認されるには、合意形成が必要です。そして合意形成に貢献した参加者にビットコインなどの報酬が支払われる仕組みとなっています。

ブロックチェーンには大きく分けてパブリックブロックチェーン、プライベートブロックチェーン及びコンソーシアムブロックチェーンがあります。プライベートブロックチェーンとコンソーシアムブロックチェーンは管理者が存在するネットワークとしてパブリックブロックチェーンと区別されます。

パブリックブロックチェーンのメリット
パブリックブロックチェーンのメリットとして、取引がすべて公開され、透明性が高いことが挙げられます。ビットコインが評価されているのは、管理者不在で透明性の高さを実現しているためです。

通常、銀行などのネットワークでは、管理者がデータを保管したり監視したりします。しかし、パブリックブロックチェーンではネットワークに参加するすべてのユーザーがデータの監視役になることで、データの改ざんを防いでいます。

特定の管理者がいないことで、管理者によって一方的にルールを変更されたり、データが改ざんされたりすることがなく、透明性の高い分散化されたシステムが構築できます。

パブリックブロックチェーンのデメリット
誰でも参加できることはデメリットにもつながります。取引の数が膨大になり、承認(合意形成)に時間がかかってしまうことです。例えばビットコインでは、1つのブロックに書き込めるトランザクション(取引データ)が1MBに制限されています。そのため、取引データがすぐに一杯になってしまい、処理速度が低下します。これを、スケーラビリティ問題といいます。

ビットコインではマイニングにコンピューターによる大量の計算が必要であるために膨大な電気代がかかることや、イーサリアムではスケーラビリティ問題による手数料高騰が度々問題となっています。

この他にも、パブリックブロックチェーンでは「51%攻撃」を受けるリスクがあります。51%攻撃とは、悪意あるノードがネットワーク全体の51%以上の計算能力を支配することで、不正な取引を承認してしまうことや過去の取引を改ざんすることをいいます。パブリックブロックチェーンは誰でも参加できるために、悪意ある人が参加するという危険があります。

ただし、ビットコインにおいては過半数を占めるほどの計算を行うには大量のコンピューターが必要となり、通常のマイニングを行う方が経済的インセンティブを得られることや、仮に莫大な資金を投じて51%攻撃を成功させたとしても価格は暴落することが予想されるため、それほど危険視する必要はないとされています。しかし、マイナーの競合が少ないアルトコインにおいては51%攻撃の被害を受けた例もあります。

その他のブロックチェーンとの違い
前述したようにブロックチェーンには、パブリックブロックチェーン、プライベートブロックチェーン及びコンソーシアムブロックチェーンの3種類があります。パブリックブロックチェーンは誰でも参加可能なことに対し、プライベートブロックチェーンとコンソーシアムブロックチェーンへの参加は許可制になっています。許可制のブロックチェーンはまとめて「パーミッションドブロックチェーン」と呼ばれます。

プライベートブロックチェーンとコンソーシアムブロックチェーンの違いは管理者の数です。プライベートブロックチェーンは管理者が単一なのに対し、コンソーシアムブロックチェーンでは複数の管理者がいます。

パーミッションドブロックチェーンでは、合意形成は管理者が承認します。主に企業によって運営されるブロックチェーンで使われており、取引の透明性はパブリックブロックチェーンの方が高いとされます。

ただし、秘匿性の高い情報ではプラベートブロックチェーンに強みがあります。

パブリックブロックチェーンとパーミッションドブロックチェーンの違いとしてはインセンティブの有無が挙げられます。パブリックブロックチェーンでは、ノードが自主的に活動してセキュリティなどを担保しており、取引記録を承認する作業の報酬として、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)が与えられます。一方のプライベートブロックチェーンでは、管理者が存在し、自分たちのために運営しています。そのため、インセンティブ設計が不要となっています。

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